【書評】ビジネス・ゲーム

【書評】

概要

ビジネス(会社で働くこと)をゲームと定義し、そのルールや考え方を体系的にまとめた本である。

日本語訳本の副題は「誰も教えてくれなかった女性の働き方」であり、1977年にベティ・L・ハラガンによりアメリカで出版され、女性が企業社会で生き抜くコツを伝えている。

本書からの学び

女性向けに会社でよりよく働くために身に着けておくべき考え方をまとめた本だが、男性にも多くの気づきを与えてくれる本だった。

単に誠実に務めるだけが全てではなく、集団(会社)の中でどのように働くかが仕事の内容やチャンスや昇進に密接に関わっており、その環境を作者は「ビジネス・ゲーム」と呼んでいる。そしてゲームのルールを知ることが何よりも重要で、ルールを知らなければ試合で負け続けるのは必然だ。

そのルールを一言で表すと、「組織において自分の仕事がどの位置にあるのか確認しながら着実にこなす」ということだと思う。自分の仕事を全うすることが何よりも重要で、野球で例えるなら、ファーストに配置されたらファーストの守備を着実にこなす必要があり、試合中に一塁ベースを磨いていても評価されないということだ。

確かに自分の会社生活を振り返ってみると、海外グループ会社からの出張者向け資料作成や社内掲示用英語ポスターの制作など業務外の仕事を頼まれて実施したが、苦労のわりに見返りは何もなかったことを思い出した。それらの仕事は会社で受講した英語研修の恩返しでもあるかと自分の中にはあったり、将来それを覚えてくれている人が偉くなって恩恵を与えてくれる可能性はゼロではないとも思っているが、作者の主張は会社生活の現実に即しているように感じられる。

また、本書には「命令の鎖」という言葉がよく出てくる。会社と軍隊は似通った性質を持っており、目的(利益や勝利)に向けてピラミッド型の組織で取り組んでいくが、縦の命令系統の繋がりを「命令の鎖」と表現している。「命令の鎖」は組織や階級にとって重要なものであり、確かに意識してみると日々の活動における判断基準として説明しやすい。

1970年代のアメリカの女性向けに書かれた本だが、現代の日本でも性別に関係なく参考になる本だ。子供を会社に連れてくる時の注意事項など現代にはそぐわない内容があったり、ライン部門・スタッフ部門の在り方など人によっては賛同できない箇所もあるだろうが、読者それぞれが賛否箇所を自分の仕事がよくなるように本書の内容を使っていけばよいと思う。

活かせるポイント

これから自分の仕事をよりよくするのに役立ちそうな内容を端的に記載する。

  • 「命令の鎖」を意識して行動する。
  • 会社の中では、効率を求めるより秩序を優先した方がより良い結果を生むことが多い。
  • 負けても必要以上にがっかりしない。
  • 自分のやっている仕事を管理職の視点で客観的に眺めてみる。
  • キャリアとは、結局は「仕事を続けていくこと」そのもの。
  • ビジネス・ゲームにおいて「お金」が得点。
  • 自分が得られる評価の中で最高と思われる条件で働く。
  • 使える特権はその性質を理解してできるだけ有効に使う。
  • 二度と同じ書類に目を通さない。
  • 全てのことを片付けようなどとは決して思わない。
  • アサーティブとは、相手に反感を与えずに自分の欲しいものをしっかり手に入れること。
  • 管理職になるということは「仕事そのものをうまくこなす」ということではなく「いかに他人に仕事をさせるか」ということ。
  • 自分が何をするかということ以前に部下が何を考えているかを知る。

タイトルとURLをコピーしました