【書評】投資家が「お金」よりも大切にしていること

【書評】

概要

藤野英人氏が投資家としてお金や投資について考えてきたことをまとめた本である。

本書からの学び

本書は「FX投資で資産を築く55の方法」といった類のお金を稼ぐノウハウ本ではなく、ファンドマネージャーの藤野氏がお金や投資に関して考えてきたことや感じたことを、主に若い人向けに書いた本だ。

お金とは、紙幣や硬貨そのものではなく、あくまで無色透明な概念であり、色がついていないからこそお金には私たちの考えや態度が100%反映されるとある。

確かにお金は、誰が持っていようと、どんな形態(現金・データ)だろうと同じお金であり、資本主義社会で生きる我々には切っても切れないものだ。お金を使うということは、そのモノ・サービスに関わった大勢の人に直接的・間接的にお金が分配されることでもある。消費者がより広い視野を持って、より自覚的に、より真面目にお金を使うと、応援されたい供給者が成長し、社会がよくなるというのが著者の主張だと感じた。

投資に関しては、著者の定義は「いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からお返しをいただくこと」としている。お金ではなく、“エネルギー”や“お返し”としているのがポイントだ。 “エネルギー” はお金や時間や情熱など、 “お返し” はお金や感謝や成長や経験など、有形無形の様々な要素を含む。つまり、株取引も読書もけん玉の練習も全て投資であり、我々全員が投資家なのだ。 “エネルギー”や“お返し” を意識して正のループをまわしていくことで、明るい未来を作ろうと著者が提案しているように感じた。

本書を読んでも「投資家がお金より大切にしていること」をずばりと書いてはいないが、お金や投資をまじめに考えて、よりよい社会・明るい未来をつくっていこうという意思がそうなのかと思う。

残念な部分としては、日本人はお金を貯めこむ、寄付をしない、会社が嫌いなど、具体的な数字を示しながらの日本のマイナスポイントの記載が多かった。そういう面もあるし改善が必要な箇所も多いだろうが、歴史や国民性や社会システムなどの背景でそのような数字になっているのだろうし、もう少し深堀りしてもよい印象を受けた。

ただ、お金や投資の概念の勉強になったし、「ブラック企業は消費者が作る」「清貧でも汚豊でもなく清豊を目指すべき」などハッとする記述もあり、自分の生き方を考えるきっかけになる本であることは確かだ。

活かせるポイント

  • 自覚的に真面目にお金を使う
  • よい消費者になる
  • 稼ぐとは付加価値を提供していることであり、善である
  • 人は生きているだけで価値がある
  • 互恵関係/自他不二
  • 一緒にいる限りは楽しくやろう
  • お金があるところからお金のないところにお金を流すのが金融
  • 最後の最後は天命
  • 本当の安定とは、成長し変化すること

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